「スウィーティー・パイ」にドロップする新井さん。

4月19日

<ABAの事務所にて日記を書く>

今日は長年の夢がひとつ叶った。

「アラスカ!!!」

いやー、アラスカっすよ。スキーをやっていて、スキーを続けていて、そしてアラスカに来てよかった!

でかい斜面。最高の天気。良いガイド。そして仲間。
今日は、昨日に続いて一生の記憶に残る日だった!

今日は日本にいるときから参加しようと思っていたヘリ会社である、ABAで飛んだが、実はアラスカに来てからは、ABAはやめようという話になっていた。1日単位で飛ばしてくれる代わりに、近場が多く、道路に向けたランが多いと聞いていたからだ(シールで登って滑る人もいるので、ヘリで来て上から滑るのは極めて危険。それに登っている人がいい気しないでしょ?)。
トンプソンパスの有名山スキーオヤヂは「ABAをボイコットするように!」とホームページででかでかと書いているし。
結局、僕らは奥へ奥へと行ったので、この心配はなかったんだけど。(半日とかだと、近場みたい)

ともかく朝、ABAのオフィスへ。申告したスキーのレベルはもちろん「Expert」。
ビーコントレーニングと、ヘリコプターの注意を受ける。「万が一、ヘリが墜落したら、衝撃でこのE.L.T(遭難信号?)が作動するから、沿岸警備隊が助けに来る。もし墜落の衝撃が十分じゃないときはここにあるから作動してね」とか、「サバイバルキットはここにあるから、最悪の事態のときは・・」とか言われて、ビビル。


朝、ABAのオフィスで。

今日のリフト。ヘリ乗るの初めてです。


まずはビーコン捜索訓練。


我らの出番までしばし待機。


昨日に引き続き晴天で、僕らの他にも7グループ程お客さんがいたようだ。ガイドはスノーボーダーのスティーブ。そして客兼テールガイドとしてパトリック。自分たちの出発までしばし待機。
「 いやー、おいら、ヘリ初めてなんすよ。いままでアラスカでヘリスキーしてきた人たちの話を聞くと、緊張するっす!」と、関新コンビに必要以上に絡む。

そして、とうとうヘリスキーがスタート!
ヘリに乗り込んで出発。ヘリはふわっと舞い上がり、今まで感じたことのない感覚で飛んでいく。風景があっという間に眼下に広がり、今まで見ることのできなかったアラスカの風景へと飛んでいく。

1本目。
いきなり、山頂の小さなスペースへ。下手して落ちればヤバイ。
岩の間の急斜面をスリズリっと下がって、その下の斜面へ。いい感じ〜!自分の番が来て、スタートすると雪も最高!ディープパウダーではないが、スイートでクリーミーなパウダー。ロングターンでかっ飛ばしてみても余裕。中間部から下は氷河地形で、斜度は30度ほどだが気持ち良く滑る。長い。そしてボトムに到着。
ヘリが来るまでしばらく待つ。

 まずは1本目を終えて。一番上のかろうじて見える場所からロングクルージング。


2本目。
ヘリで飛んでいくと、斜面全体が影になった壁が見える。
「いいねー、あそこ行きたいねー」なんて話していると、本当にそこに着陸しやがった。
大きなフェイス。よく分らんけど50度レベルでズドーンと落ちている。こりゃすげー。アラスカらしい斜面だ。名前は「スイーティー・パイ」。
3番スタートでドロップ。スキーの先を下へ下へ。ロングターンを決める。これが夢見ていたランだ!雪も良いのでスピードを上げる。視界の隅で雪崩らしき亀裂が入る。ライダーズライトに進路をとり、一気にチョッカリ!ビデオのライダーになった気分。やばいほどのスピードだが、山の大きさで完全に感覚が麻痺している。
ボトムにつき、奇声を発して振り返ると本当にいい斜面!最高!
雪崩と思ったものは単なるスラフで、たいしたことはなかった。でも、あのスピード!アドレナリン全開でした。


前日に滑ったベルリンウォールも一望できる。

ヘリ。ガイドが指示を出し、パイロットが的確に操縦。


次の獲物はどこじゃーい!


お!あの斜面いい感じじゃない?


ガイドのスティーブ。ナイスガイディングでした。


スウィーティー・パイを上から。

俺、ドロップ。



スウィーティー・パイ全景。


天気もいいし最高ですね!

滑ったトラックを見上げる。

急にそそり立つ岩山。この右端には・・・


滑った後が見える。


3本目。
途中でトラバースして別の向きの斜面に行くはずが、ちょっと降りすぎてしまいルート変更。でもこの斜面がかなり良かった!いい斜度、軽いパウダー。スピードを上げて、重力に身を任せる。最高!


どこもかしこもおいしそうな斜面。

さて、次はどこへ連れて行ってくれるのやら。


こういうところや、


こういうところって自力(ハイク)で行こうとしたら大変だよねぇ。

「あんまり、そっちに寄ると落ちるから気をつけて」
「ひえぇぇ」

 いい感じでしょ?

4本目。
おそらく今日行った中で一番標高が高かったかな?山頂直下から広めのシュートが落ちている。山頂から向こうは、見渡す限りとんがった山と氷河が広がる。すげー。でも正直、風景にも慣れてしまった(汗)。
ドロップ。スピードを上げて、ロングターンをつなげる。途中から下もいい斜度で大きな斜面。標高差1000メートルくらい。


4本目のピーク。

見渡す限りの山々。一生かかっても滑りきれない。



ジェレミー・ジョーンズはあんなところ滑っちゃったりするのだろうか?



あの遠くの山、かっこいいな。滑れるのだろうか。

そして、これからここを滑ります。


最高に気持ちいい斜面。


あー、もう最高!


テールガイドのパトリックがシュートに入っていくがこの直後、雪崩れる。


この1本はとても長いランだった。これは下のほう。



客兼テールガイドのパトリックはスノーボーダーで、ともかく困難な斜面にドロップするのが好きみたい。クリフも飛ぶ。でも小さなクリフ。ターンもずれずれターンで汚い。そして、すげー自慢屋。4本目で岩の間のシュートを狙うも、シュートに入るノールで雪崩を起こして間一髪。見ているほうがヒヤヒヤだった。

5本目。
氷河の間を滑るルート。雪がクラストしていたり、底付きあったりであんましよろしくない。

ラスト6本目。
それ以上は追加料金だ。もう、おなかいっぱい。これ以上滑ったら、記憶に残らん。足にも結構キテル。
最後だし、かっこいいところ行きたいな〜と思っていたら、2本目と同じスイーティー・パイ。ただ、どでかいフェイスなので、エントリーポイントを変えればまだノートラック。このフェイスは北面で雪もまだいいはず。
ドロップ!少しトラバースを入れてノートラックへ。スピードを上げる。一気にボトムへ!さいっこー!!
日本では絶対にありえない斜面とスピード。これこそ夢のスキーだ〜!


さて、とうとう最後になってしまいました。


エクストラはなしにしたので、ピークでしばしのんびり風景を楽しむ。



現実的でない風景。



関根さん、セッピを飛び降りてドロップ!



関根さん。



新井さん。


スピードを上げられるだけ上げる。


さいこー!今日のビールはうまいぞー!


いやー、スキーやってて良かった!


ここは2本も滑ったけど、いい斜面だった!日本にこの斜度のこのオープンはなかなかない。

 思わずバンザイ!


ベースへ戻るためにヘリにピックアップしてもらう。お約束なのか曲芸飛行!狭い谷の「中」をすれすれで飛んでみたり、急上昇&無重力したり。山の斜面に沿って旋回したり。頭の中では思わず「エアー・ウルフ」が流れていたなぁ・・・怖いけど楽しかった!ベトナム戦争は質の高いパイロットを残したなぁ。


今、こうやって日記を書いている間も、エクストラを滑った客をピックアップしにヘリが飛んでいる。もう8時になるが、空はまだまだ明るい。
本当に最高の日だった。夢見たスキーはここにあった!今回のガイドのスティーブは、テクニカルなところには行かないものの、雪質の良い北面を選び、以前、アラスカでヘリをやっている新井さんも太鼓判を押すいいガイドだった。ガイドのスティーブ曰く、今日行った斜面は、通常3日目に行くとこみたい。雪の状態、天候、無風。今日はヘリスキーの「ザ・デイ」だったようだ。今も、何人かのガイドが興奮しながら、「今日は最高だったぜ!」とオフィスに帰ってくる。

斜度、難易度的には、「えー!まじで!?こんなん滑れんよ!頭狂ってんじゃないの?」ってのはなかったなぁ。今日の斜面は「アドレナリン全開の最高に楽しい斜面」って感じ。マジでやばいと思った斜面はなかったな。
でも、見渡すとまさにビデオに出てくるようなクリフ、それを飛んだトラックが残っている。こういうアグレッシブなラインに行くには、今回僕らが入ったようなメニューではなく、プライベートでヘリをチャーターするようだ。

うれしかったのは事務所にウッドデッキがあり、勝手にバーベキューできるんだけど、ハンバーガーとかチキンとかタダで焼いて食えたこと。ビールをプシュッと開けて、久しぶりの肉をかぶりつく。うまかったな〜。おらー!最高だ〜!

 あー、うめぇ!

今日も、日記が長くなってしまった。だってすごかったんだもの!
スキー、スノーボードをやっている人には、絶対アラスカでヘリスキーをすることをお勧めしたい。この遊びの価値観、世界観が必ず変わると思うよ!

(今、バルディーズの図書館でブログをアップしているのですが、バルディーズ・ヘリスキーガイドのHPによると、この日は「Perfect Day of the Season」だったのこと!やった!当てたぜ〜!)

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